魂は人たり得るか
VTuberの引退はしばしば死に例えられる。
僕はこれが苦手だ。
たかだか活動をやめるだけである。見れなくなるのはもちろん寂しいが配信をやめてもその人の人生は続く。元いた場所に帰るだけだ。
配信業の引退なんて軽いものだ。僕自身この界隈に来て初めて配信者というものを追い始めたレベルだが何人も別の形で活動再開している事例を見た。
全員がそういうわけじゃないが魂が生きていればいつかは、その気になれば会いに行ける可能性はあるのだ。どういう形であれ。これは死ではない。
昨日ある小さい事件が起きた。
大会でゲーム部の夢咲楓と対戦したアシキ氏がその対戦動画内で元夢咲楓だった方が声優名義で公開しているデュエット音源を使用して公開した。
新しい声優となった後である。大会途中での変更であった。当然当該箇所は削除されるに至った。
これが当然削除されるという事が彼女も夢咲楓であるという証に感じた。
僕自身引退した方を何度か見に行ったことがある。
名前や画面を通して見た姿はちょっと違うけれどその人はそこにいた。
そう感じられるだけの文脈が僕の中のその人にあった。
VTuberの引退は死ではない。ただ複雑な感情から目を背けるのに死んだことにしたほうが都合がいいだけだ。